インドにおける特化型Eマーケットプレイス”Tolexo.com”に見る、無限の可能性
先月(2014年6月)にローンチされ、Tech In Asiaが注目する24のアジアンスタートアップでも紹介された新進気鋭EマーケットプレイスTolexo。
現在、インドではEマーケットプレイス市場が非常に伸びており、既に60以上ものEマーケットプレイスが存在する。ただ、まだまだ本市場における新サービスの参入はとどまることを知らず、特に商品群をニッチに絞った特化型Eマーケットプレイスサービスで本市場に躍り出ようとするプレーヤーが多い。
Tolexoもその特化型Eマーケットプレイスの一つであり、Tolexoが手掛けるのは、”工業用や建設用の道具の売り手”と”エンジニアリング会社”のマッチングである。少しビジネスモデルは異なるが、インド版イプロスのようなものだ。まだサービスローンチから1ヶ月も経っていないが、既にTolexo.comには100の売り手の50,000個もの商品が掲載されているとのこと。ちなみに日立製作所もクライアントだとか。
Tolexoを率いるのは、今から18年前にインドで初めてBtoBのEマーケットプレイスを展開したIndiaMARTの創業者の一人であるAgrawal。FlipkartやAmazonのような何でも屋さんであることよりも、特化型Eマーケットプレイスであることに勝機を見出し、本サービスを手掛けたとのこと。
ちなみに、IBEFによると、エンジニアリング会社への技術支援マーケットの市場規模は2020年には370億ドル(3兆7000万円)まで伸びると予想されるビッグマーケット。むしろ、国の施策として、2017年までにインフラ整備に88兆円投下すると言っているので、もっと大きくなりそうだが。
インドは現在、2012年4月~2017年3月までの「第12次5カ年計画」期間にある。具体的な施策として、インフラ分野に官民資金約51兆ルピー(1ルピー=1.73円換算で88兆2300億円)が投下される予定であり、これは前回の第11次5カ年計画の約2倍となる。重要分野は電力、鉄道、上下水、港湾、空港など多岐にわたるプロジェクトが予定されている。
また、今月(2014年7月)に発表されたモディ新政権の予算案には、七つの新産業都市の整備、1万4000キロメートル超のガスパイプラインの設置、16の港湾の創設、都市部の鉄道整備、8000キロメートルの幹線道路建設といった、インフラ整備へのコミットメントが今までよりも強く感じられる。これは、Tolexoからしてみればかなりの追い風になるだろう。
最後になるが、たしかにTolexoの目の付け所は素晴らしい。市場規模も非常に大きく且つ急成長も予想でき競合プレーヤーもいない。そのような状況下では成功確率も非常に高くなるだろう。ただ、僕がより強く思ったのは、「やはりインド市場はすごくエキサイティングだ」ということだ。まだまだ多くのビジネスチャンスがインド市場には眠っている。現に、このエンジニアリング会社への技術支援に特化したEマーケットプレイス市場には、つい先日まで主要プレイヤーがいなかったのだから。
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