インドで始まる恋なのに

インドのグルガオンに住む25歳が、ビジネスのことや美味しいレストランのことなどざっくばらんに、現地のリアルをお届けします。

このブログで何を伝えるべきか

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最近、思うことがある。

「このブログを見ていただいた方に僕は何を伝えるべきなのか」

この問題を考える前にまず「なぜ僕はブログを書くのか」について触れることにしよう。以前のエントリでも言及したが、「自分が生まれた世界と生まれなかった世界の差を最大化させること」が僕の人生のテーマである。これはDrivemode古賀洋吉氏のエントリに非常に影響を受けている。

僕の価値観の前提として、人生の価値とは、その人が生まれた世界と生まれなかった世界の差だと思っている。つまり、「僕」とは、「僕が死ぬまでに行った全ての行動が世の中に残した影響、変化、差の合計」である。それゆえに、僕の人生において重要な問いは、「結局、僕って、世界にとって生まれたほうが良かったんだっけ?」というものだ。
愛の日記 @ Drivemode | バレなければ良いという生き方

そう、生まれたこの世界にプラスの差を生み出すこと、それこそが僕の使命であり、その差を生み出すためのアクションに対しては妥協してはいけないと思ってる。そして、このブログもそのアクションの一環である。影響度はまだ低い。ただ、もし見てくれる人が居るのであれば、少しでもその人の糧になるような文章を届けたい。そして、もっと多くの人が閲覧するようになった際には更により良い文章を届けたい。その時のために、下手な文章ではあるが更新し続けなければならないと思ってる。

そう、このブログを読んだ人に少しでもプラスの差を提供したい。恐縮ながらそんな思いでブログを更新している。

さて、本題に戻る。

「このブログを見ていただいた方に何を僕は伝えるべきなのか」

結論を先取りし述べよう。

自分の経験とそれから得た学びを率直に伝える。

何を当たり前のことを言ってるのか、と思った方もいるだろう。しかし、僕はこれがなかなか出来ていなかった。

どういうことか。

もし、自分以外の他人の人生もお試し体験出来るとする。そうすれば、自分と他人の人生を比較し相対的な良し悪しを認識することが出来る。しかし、そんなお試し体験は出来っこない。当たり前だが、人間は1つの人生しか生きられない。もし、自分の人生に誇りを持っていたとしても、それで「他人よりも良い人生だった」なんて言えない。それぞれが良い人生を歩んでるのだ。

そのような状況下では、自分以外の生き方を排除し、自分の経験とそれから得た学びを率直に伝えることに僕は違和感を覚えていた。なぜなら、それは、相手にとって自分以外の生き方の選択肢を排除してしまう可能性があると考えていたからだ。

分かりやすい例で言うと、

ベンチャー企業と大企業、どちらがいいですか」という就活生からの問いに対してどう答えるか。
ベンチャー、大企業の定義は一旦置いておく。

創業1年目のスタートアップベンチャーに新卒で入社。これが僕のキャリア。言ってみれば、ベンチャー企業のことしか分からない。もちろんベンチャー就職は悪い部分もある。しかし、ベンチャー企業に就職したことによって得たものは何にも代えがたいと思っている。

ただ、大企業に入社した方は、ベンチャー企業への僕の思いと同様の思いを抱いていることは想像に容易い。

ということは、就活生になんと回答すればいいのだろうか。

今までの僕は、より広い視野を持ってもらうためにこんな回答をしていた。

ベンチャー企業は凄く良いよ。ただ大企業にも良さはある。俺の友人で〇〇商事に勤めている奴は、国を動かすような仕事にやりがいを感じると言ってたよ。ベンチャー企業も大企業も双方メリットデメリットがあるから、色々自分の目で見なね。」

何度も言うが、人生には無数の素敵な道がある。就活生からそれらを排除しないように僕は配慮していたのだ。

しかし、果たしてこれでいいのかと最近思ったのだ。

冒頭でも触れたが、接する人々(この世界)にプラスの影響を与え、そしてそれを最大化させることが僕の人生のテーマである。ということは”極論”すると、この就活生の人生を揺るがすようなコペルニクス的転回が生じるだけのインパクトを与える必要があるということだ。もし、それでベンチャー企業に対する志望度が皆無になったとする。しかしそれはこの就活生にとってはマイナスではなくプラスであったのではないか、そんな風に考えるようになったのだ。

自分自身が歩んできた以外の道を下手に持ち出すことでインパクトレベルが下がるのであれば、この就活生にとってそれは悪だ。その就活生の胸に”刺さる”ような価値観を提供しなければならない。そして、刃を深く刺しこむためには接点はより鋭利にすべきだ。様々な価値観を持ち出すことで接点の表面積を大きくしてはいけない。

少し観点を変えよう。

なぜ、スポーツ選手の言葉にこれほどまでに僕らは心動かされるのだろうか。

本田選手、長友選手、カズ、ヒデ、イチローetc...

それは自分の経験とそれから得た学びを率直に伝えているからではないだろうか。

イタリアセリエAで戦う本田選手や長友選手は、日本代表を目指す子供たちに対して、

「海外リーグもいいけど、Jリーグでも学ぶことはある。だから海外に出るか日本に出るかは自分で決めよう」と言うだろうか、いや言わない。

絶対にこう言う。

「海外では本当に多くを学んでいる。それは日本にいた頃とは全く比べ物にならない。みんなもいち早く海外に出るべきだ。」

子供たちは、この言葉に胸躍らせるのだ。

本田選手や長友選手の態度はこうだ。

「俺らは、海外に出たことを100%正解だと思っているし、それを下の世代にも伝えていく。Jリーグの良さは、今Jリーグでプレーしている選手が伝えてくれ。それらを鑑み、子供たちには自分の道を決めてほしい。」

この姿勢こそが、人に何かを伝える上で重要なのではないだろうか。

先ほどの就活生に対して、この姿勢で答えたらこうなる。

ベンチャー企業(というか創業3年以内のスタートアップ)は、大企業のように環境は整っていない。しかし整ってないが故に自らの手で創っていける。これはすごくしんどい。ただ、それを通じて達成感を得られ、そして大きく成長も出来る。20代前半でこのような経験が出来るのはスタートアップしかない。それは間違いない。大企業は実際どうか?それは知らん。大企業の奴を紹介してやるからストレートに聞いてこい。」

自分が通った道とそれから得た学びを率直に伝える。それ以外の道の良し悪しはそれ以外の道を通った人に譲る。それが僕がやるべきことではないかと考える。

そして、その姿勢を忘れずにこのブログも更新していく。それが誰かに良い影響を与えると信じて。